お役立ちコラム

歯周病放置の危険性

歯周病

■「歯周病」は進行する
歯周病は、虫歯菌が原因で起こる虫歯と同様、歯周病菌という細菌によって発症する感染症です。治療をしないまま放置していると、細菌はどんどん繁殖してしまい、それに伴って症状も悪化していきます。つまり、歯周病は進行するのです。歯周病の進行状況は「初期」「中期」「末期」の3ステージで表され、それぞれの段階で主な症状が異なります。ここでは、「初期」「中期」「末期」についてご紹介します。

・「初期」……自覚症状なく、日常生活にも支障はない
歯周病の「初期」では、歯茎の腫れや歯を磨く際の軽微な出血などの症状がみられます。ほとんど痛みもなく、自覚症状がまったくないということも珍しくありません。そのため、自分が歯周病であると気づいていない人も多い段階です。歯の周辺に歯石ができ始めていますが、しっかりと歯磨きをしたり歯医者で歯石除去の施術を受けたりすることで、症状の改善も見込めます。

・「中期」……歯周ポケットが形成され、膿や臭いがでるように
歯周病の「中期」では、冷たいものを口に入れたときに歯茎が傷んだり、膿や臭いが出たりするようになります。また、歯茎が腫れ、初期よりも出血しやすくなります。歯と歯の隙間が広く開いてしまい、そこに歯石ができやすくなっています。この隙間のことを、「歯周ポケット」といいます。歯周ポケットの奥深くにできた歯石は、ブラシの毛先が届かないため通常どおりの方法で歯を磨いただけでは除去することが難しく、さらに歯周病菌が増殖しやすくなってしまいます。

・「末期」……歯がぐらつき、抜け始める。感染部が歯茎から全身に転移することも
歯周病の「末期」では、歯を支える骨が完全に溶けてしまい、歯がぐらついてしまったり、抜けてしまったりするようになります。膿、出血、臭いなどもひどくなり、硬いものを噛みしめることができなくなります。歯周ポケットの奥深く、歯の根本にまで歯石が及んでいる状態です。さらに、歯周病菌が歯茎の血管から全身に回るようになり、さまざまな合併症を引き起こす危険性もあります。

■歯周病の合併症……心筋梗塞、脳梗塞、誤嚥性肺炎、糖尿病など
歯周病の「末期」では、歯茎の血管から歯周病菌の感染が広がり、血流に乗って全身のあらゆる場所に歯周病菌が移動します。それに伴って、さまざまな合併症を引き起こす危険性があります。

・心筋梗塞
心臓内の血管が詰まってしまい血流が滞ることで、心臓の組織が壊死してしまう症状です。血流に乗って移動した歯周病菌が血管を刺激すると、血管内にプラーク(沈着物)ができてしまい、血管の内径が狭くなってしまいます。このことが原因で血流が阻害されると、心筋梗塞を併発する恐れがあります。

・脳梗塞
脳梗塞とは、脳内の血管が詰まってしまい、血流が滞ることで脳の一部が壊死してしまう症状です。心筋梗塞と同様、歯周病菌が血管を刺激することで血管内にプラークができてしまい、血流が滞ることで発症する恐れがあります。

・誤嚥性肺炎
空気中、または唾液に含まれる細菌が肺に到達し、炎症を起こす症状です。嚥下機能が低下している高齢者や、嚥下機能が働かない睡眠中などに唾液を飲み込むと、誤って気道に入り込んでしまうことがあります。このとき、唾液中に歯周病菌が含まれていると肺に到達し、炎症を起こすのです。胸部の疼痛、激しい咳、発熱、呼吸困難、最悪の場合は死に至る恐れもあります。

・糖尿病
血糖値の調整ができなくなり、高血糖状態になる症状です。血糖値の調整を司るインスリンというホルモンの分泌が正常に行われなくなることが原因です。歯周病菌に含まれる毒素に、インスリンの分泌を抑制する作用があるため、歯周病の悪化にともなって糖尿病を併発するリスクが高まります。また、糖尿病を患うと口内が乾燥しやすくなり細菌が繁殖しやすくなる、細菌に対する抵抗力が弱まるなど、歯周病菌の繁殖を招きやすい状態になってしまうため、糖尿病によって歯周病が悪化する恐れもあります。

■早め早めの対処が肝心
初期には特に目立った症状が見られないため、つい放置してしまいがちな「歯周病」。しかし、放置することでこのような危険性のある、実はとても恐ろしい病気なのです。

歯周病ケアの鉄則は、「できる前に対策する、できてすぐに治療する」ということ。初期の段階であれば、改善することはそれほど難しくありませんが、中期、末期になってから治療するのは非常に困難です。日頃の歯磨きや食生活を気にかけることはもちろんですが、歯周病になってしまってもそのまま放置しないように、常に自分の歯茎の状態をチェックする習慣を身につけましょう。

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