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前歯の虫歯治療で保険適用のものを選ぶ人は少ない!?

虫歯

虫歯治療において差し歯は一般的な方法であり、前歯の虫歯治療の際にも使われます。差し歯は保険診療か自費診療かで使われる素材が変わり、どれを使うのか自分で決めることができます。保険診療と自費診療では、その治療費は大きく変わります。保険が適用された場合、自己負担は3割となるため治療費を抑えることができます。しかし、実際に前歯の虫歯治療で保険診療と自費診療のどちらが選ばれているのかというと、実は自費診療の場合が多いのです。比較的安い費用で済む保険診療ではなく、自費診療が選ばれるのはなぜなのでしょうか?

■保険診療と自費診療での違い
前述したように、保険診療と自費診療とでは差し歯の素材が違います。保険診療の場合、埋め込む中身が金属で、見える表面だけにプラスチックが貼られています。このタイプは、硬質レジン前装冠とも呼ばれています。表面だけがプラスチックであるため、裏からみると金属部分が見えます。費用は7,000円程度です。自費診療の際、多くの場合でセラミックが使われます。セラミックのみを使ったオールセラミックと、セラミックとプラスチックを混ぜて使ったハイブリッドセラミックがあります。費用はオールセラミックで8〜15万円、ハイブリッドセラミックで4〜12万円程度です。

この使われる素材の違いが、自費診療が選ばれる理由に大きく関係しています。

■自費診療が選ばれる理由
保険診療で行える虫歯治療では、前述したように金属にプラスチックを被せた硬質レジン前装冠が使われます。この硬質レジン前装冠は安価で利用することができますが、デメリットがいくつかあり、その影響を避けるためにおよそ7割もの人が自費診療での虫歯治療を選んでいるのです。硬質レジン前装冠でのデメリットには、以下のようなものがあります。

・歯茎や差し歯の変色
硬質レジン前装冠は、金属の土台にプラスチックを貼り付けています。この金属が唾液などの水分に触れると、イオン化して溶け出してきます。その溶けた金属成分によって、歯茎が黒くなってしまうのです。黒くなった歯茎の色は、基本的には戻すことができません。どうしても色を変える場合、ほかの歯茎を切り取って移植するしかないのです。黒くなること自体も避けたいものですが、治す手段が乏しいことも敬遠される大きな原因となっています。また、プラスチックは水分によって劣化しやすくなり、傷もつきやすくなることからプラークが溜まりやすく、黄色く変色してしまいます。

・差し歯が大きくなる
前述のようにプラスチックは脆く、薄くすればそれだけ劣化が早くなってしまいます。そのため、必然的に被せるプラスチックは分厚くなります。また、土台の金属部分の厚みもあるため、差し歯は全体的に大きくなってしまうのです。ほかの歯とのバランスがとれないと、審美的な観点から敬遠されがちです。

・剥がれやすい
保険診療での差し歯は金属の土台にプラスチックを被せているため、いくら接着しているとはいっても強度はそれほどありません。そのため、劣化や収縮などによってプラスチックが剥がれてしまうことがあります。自費診療の虫歯治療ではセラミックが利用されることが多く、こちらは単一のパーツだけで構成されているので剥がれることはありません。

■状況に合わせて選ぶ
自費診療でセラミックを使用する場合、その費用は10万円にのぼることもあります。それだけ高価にも関わらず自費診療を望む人が多いのには、このような理由があるのです。もちろん、これらは審美的な観点からも考えた場合の話であり、機能性という意味では保険診療でも十分だといえます。だからこそ、セラミックでの治療は保険の対象外となっているのです。どちらを選ぶかは状況によっても大きく変わりますが、これだけの差があるということは覚えておきましょう。

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