お役立ちコラム

歯周病と歯肉炎それぞれの症状

歯周病

■歯周病を引き起こす歯周病菌とは
歯周病は、複数の菌によって引き起こされる病気です。歯周病菌は唾液や歯周ポケットの中のアミノ酸を栄養として成長し、プラーク(歯垢)となって歯の表面にくっついています。プラークは、歯のどの部分にあるかによって二種類に分けられ、それぞれの場所にある菌の種類も違ってきます。

・歯肉縁上プラーク
口を開けたとき、歯として見えている部分(歯冠部)にくっつくプラークのことです。エナメル質やセメント質に反応して歯の表面や、歯と歯茎の境目に付着します。歯肉縁上プラークは、軽度の歯肉炎を引き起こします。

・歯肉縁下プラーク
歯周病が進行するとできる歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)に付着するプラークのことです。歯周ポケットの内側は目視するのが非常に難しいため、歯肉縁下プラークが付着しているかどうかは目で見て確かめることができません。酸素を嫌う歯肉縁下プラークは、バイオフィルムという強固な塊を作りだして歯周ポケットに定着し、活動しています。歯肉縁下プラークは中度〜重度の歯周炎を引き起こし、歯周炎を進行させる毒素とも関係があるとされています。

■歯肉炎の症状
歯と歯茎の間に炎症が起こり、赤く腫れたり出血したりするところから歯肉炎は始まります。歯茎の色が赤くなり、ぷっくりと腫れて歯肉溝(歯と歯茎の間の溝)が深くなり、歯周ポケットができはじめるのもこの段階です。ごく軽度の歯肉炎のうちに異常に気づき、歯と歯茎の間のプラークをきちんと除去すれば、ほとんど歯科に通わずに健康な状態に戻すことも可能ですが、この状態で異常に気づける人はあまりいません。歯磨きをしているときに出血するようになるこの状態は、歯周病の第一段階ともいえます。

■歯周炎の症状
・軽度の歯周炎
歯の根に向かって炎症部分が拡大していきます。それにともなって歯を支える骨である歯槽骨や、歯を固定する歯根膜も炎症によって少しずつバランスを崩してしまいます。歯肉炎の時点でできてしまった歯周ポケットが広く大きくなり、歯肉縁下プラークが歯周ポケットに溜まり始めるのもこの頃です。ここから症状が進むにつれて、歯茎の色がだんだんと黒ずんでいきます。

・中度の歯周炎
炎症部分がさらに広がり、歯を支える歯槽骨が根の半分ほどまで破壊されてしまいます。これによって指でさわると歯がぐらつくようになり、歯周ポケットもさらに深くなってしまいます。歯茎が後退するので、見た目には歯が長くなって出っ歯になったように見えます。

・重度の歯周炎
炎症が歯の根に向かってどんどん拡大し、歯周ポケットが広がって歯肉縁下プラークが増え続けます。歯槽骨が根の長さの半分以上破壊されてしまい、指でさわらなくても歯がぐらぐらと動いてしまうようになります。重度の歯周炎では、歯茎が赤紫色のように黒ずんでしまい、見た目にも異常が起こっているのがわかるようになります。

歯周病は、噛み合わせの悪さや薬の副作用、性ホルモンの急激な変動、ストレスなどからも引き起こされます。歯周病はサイレント・ディジーズ(静かなる病気)ともいわれ、重症になるまで気づかれることが少ない病気です。ひとつの歯が周囲の歯にも影響を及ぼし、口内環境を大きく崩してしまいかねません。口内の異常に気づいたら、歯科医に相談しましょう。歯周病が自然治癒する可能性は極めて低いので、生活環境や食生活、歯並びなどからしっかりと原因を割り出して治療することが重要です。また、歯周病は口内だけでなく、全身への影響も懸念されています。糖尿病や誤飲性肺炎、低体重児出産などリスクは大きく、将来的な健康のためにもしっかり予防しておきたい病気です。

一覧へもどる