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歯周病が原因で早産になるリスクが高まる

歯周病

妊娠中は、歯周病や虫歯といった口の中のトラブルが発生する可能性が高いということをご存知でしょうか。歯が痛むけど、お腹の中の赤ちゃんに影響がでたら困るから……と歯医者で治療をしないで、我慢をしている人もいるかもしれません。

しかし、歯周病が原因となり早産を引き起こすことがあるのです。お腹の中の赤ちゃんのために、歯医者で治療をしないで我慢をしているつもりでも、我慢をすることでお腹の赤ちゃんに悪影響を与えてしまうことがあるのです。

ここでは歯周病は本当に早産の原因になるのか、歯周病と早産の関係についてご紹介します。

■歯周病による早産のリスクは、そうでない人の7倍以上?
歯周病という名前を耳にすると、口の中の病気に限定するものだと思っている人もいるかもしれません。しかし、歯周病の原因菌は口の中だけに留まっておらず、血管を通り体の至るところに広がるとされています。そのため、歯周病の原因菌によって糖尿病や肺炎、心筋梗塞といった重度の疾病にかかるリスクが高くなるのです。

また、1996年にはアメリカで「早産の危険因子のひとつに早産が関係している」という研究結果が報告されました。実際に、妊娠37週未満で産まれた早産の人や、体重2500g以下の低出生体重児を出産した人を調べてみると、歯周病に感染している人がたくさんいたそうです。そして、歯周病に感染している人とそうでない人のリスクを調べたところ、歯周病に感染している人が早産を起こすリスクは、歯周病でない人のリスクに比べるとおよそ7倍以上あると発表されました。

早産の原因には、喫煙やアルコールの摂取、高齢出産なども挙げられますが、歯周病はこれら以上にリスクが高くなるそうです。

■早産と歯周病が関係しているメカニズム
歯周病と早産の関係は今もなお世界中で研究が行われています。研究途中のため、明らかなデータが発表されているわけではなく、歯周病になれば必ず早産を引き起こすというわけではありません。しかし、歯周病と早産の関係を明確にするメカニズムは少しずつ解明されているのです。

そのメカニズムについて少し説明します。出産をする前には、激しくお腹が痛くなる陣痛が起こります。陣痛はもうすぐ赤ちゃんが出てきます、というサインのひとつ。陣痛が起きたら、すぐに病院に向かい、出産の準備をします。
その陣痛は、子宮収縮作用のあるプロスタグランジンという物質の分泌が高まることで起こります。このプロスタグランジンという物質の分泌を促すのが、サイトカインという物質です。サイトカインは、炎症によって増殖する生理活性物質です。

歯周病の原因菌が炎症を起こすことで、このプロスタグランジンの分泌が高まり、子宮が収縮し陣痛を引き起こしてしまいます。歯周病の症状が重度になるにつれ、血液中のサイトカインが増加することがわかっています。よって、歯周病の症状が重度であればあるほど、出産時期が早まる傾向にあるのです。

■歯医者に行くのは妊娠中期がおすすめ
妊娠中は、つわりによって歯磨きができなくなってしまったり、女性ホルモンが好きな細菌が女性ホルモンの値を高めたりするため、歯周病や虫歯を引き起こしやすくなります。歯周病や虫歯のような症状を感じた場合は、迷わずに歯医者に行きましょう。妊娠初期は体調が安定しないこともあります。無理して動くとお腹の赤ちゃんにも負担をかけてしまうので、心配な人は、体調が安定する妊娠中期を過ぎた頃に受診することをおすすめします。

歯周病や虫歯などの症状を感じないという人も念のため妊娠中期には一度、健診を受けておくとよいでしょう。前もって万が一のために備えておきましょう。また、歯医者を利用する際には、必ず妊娠中であることを伝えておいてください。そうすれば医師も注意深く対応してくれます。

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